撮影技法「集団肖像(セッティング)」

2011/11/19撮影

スタジオ クレアトゥール(谷在家)
レース越しに柔らかな陽光射す天蓋付き寝台。
白いシェードに、赤いリボンの結界。
床には色とりどりの花びらを散らせた。
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楽曲のイメージよりインスピレーションを膨らませ、
恋する少女達の内に秘めた情熱と、もどかしさのせめぎ合い、
その神秘性を表現することを狙った。

作品「秘密の放課後」
初音ミク役:綺水瑪瑙さん
鏡音リン役:霞れんふぁさん
巡音ルカ役:聖さん
GUMI役:RICOさん
Lily役:桜花さん


引き続きスタジオ撮影の記録を公開。
VOCALOIDの楽曲作品「秘密の放課後」より、
ロケーションを最大限に生かすよう、撮影セットを組んだ一例を紹介。



この天蓋付き寝台を見たときに、注目したのはその薄手の生地の素材感。
次に部屋の隅にあった屏風に折り畳まれたシェード、これを手前に展開することを思いついた。
リボンや花は、モデル役の皆さんに楽しみながら飾り付けて頂いた。

参考までにこれを正面からの順光ライティング(SB700使用)で撮影すると…。
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このように透け感や立体感に乏しい素材に見えてしまう。
これでは非常にもったいない。

このロケーションで組んだセットは以下のとおり。
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右手前に橙色の定常光をセットしたのはピント合わせに若干の明るさが必要なため。
(光量的にも写りにはほとんど影響していない)
光源は左奥の白アンブレラをセットしたグリップ式ストロボPE-60SGによる1灯ライティングである。
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これが発光させた状態。
アンブレラの光をレースがさらに和らげ、右側に抜けていった先に置かれた白カポック(大型のレフ板)に反射してシャドウ部を和らげる。手前に置かれた白いシェードも一部の光を奥に反射し返す。
これによりサイド1灯のセッティングながらわりあい全体に光が回った状態となっている。

こういった光が複雑に乱反射している状態で、特に広角レンズを使うと写りがもやっとする現象(ハレーション)が防ぎにくくなるが、シェードの左端を手前側に光を遮るように伸ばし、邪魔な光を切っている。このハレ切りの効果により、絵のシャープさが満足のできるレベルに維持できたと思う。

また、カメラは三脚に固定し、Nikon Camera Contolor Pro2使用し、MacBookAirでライブビュー撮影を行う。これにより、構図を決めたまま撮影画像を全員で確認し、納得がいくまでリトライできる。

バリエーションとして、ハイアングルから覗き込むように撮影したカットの他に、ウェストレベルに固定したカット。
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さらに超広角でのカットを撮影した。
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設定は3枚とも同じ。
D7000
AF-S DX Zoom-NIKKOR 12-24mm f/4G IF-ED
F8 1/160秒 ISO200


セッティングをするメリットは撮影環境が安定することにある。
モデルの位置が多少変わってもピント合わせを除いて設定でいちいち悩む必要はなくなる。
また、即座にPCの大きな画面で確認できるので、全員の目で隅々までチェックできる利点も大きい。

時間の許す限り、細部までこだわってワンシーンを作り込む。これぞスタジオ撮影の楽しみの一つだと思う。
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by ume13years | 2012-01-28 23:56 | 肖像写真
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