<前略>
物書きゆえの悲しい性かもしれませんが、記事を公開してから初日は文章を何度も見直してしまいます。 見てしまうと無性に書き直したくなり、修正を繰り返しているうちにテーマそのものが変わってしまうことも珍しくありません。 公開直後に見ていただいた皆さん、なにぶんご容赦ください。 前回記事の(メイン光としてのストロボ)テーマ【闇を照らす光】はこちら テーマ【陰を和らげる光】 続くテーマは陰を和らげる光の使い方。 俗に「日中シンクロ(注)」というヘンテコな名称の技法で知られている。 (注:今のような優れた調光精度のストロボはなく、現像するまで結果が分からない銀塩時代、 これを確実に決めるのは面倒な計算式を用いたり、長年のカンといったかなりの熟練を要したようだ。 それゆえ、明るい昼間にストロボを使って撮影するなどということは、一般の人には馴染みのないことだった。 現代において「日中シンクロ」というご大層な呼び名はなんとかならないものかと感じている) 公開するのは明るい日光が射す野外での写真。 2011/12/11 よみうりランド 作品「刀語(かたながたり)」 鑢七実 役:桜花さん 日光をメイン光、ストロボを補助光として使用した作品を紹介していく。 注意:一部、アニメ「刀語」のネタバレあり。 いずれも白傘を付けたストロボを使用して、柔らかな光で日陰になった部分を照らしている。 使用したストロボPanasonic PE-60SG 。 発光させたイメージ。 半逆光のライティング例 太陽光は被写体の左エッジにハイライトを入れるように構図どりする。右側よりストロボ光を照射し、陰になっている部分を明るくする。太陽光が透過した髪の一本一本に煌めきが入り、幻想的な雰囲気が出る。 ストロボを弱めに発光させている冒頭の自然な描写に対し、 次に紹介する写真はレンズを絞り込み、ストロボを強めに発光させている。 眩しい太陽を背にしながらも、背景の明るさをかなり落とすことができる。 単純に陰を和らげること自体はレフ板でもできることだが、 光の向きや強弱を思い通りに設定することができるのが、ストロボならではの良さ。 超広角レンズの遠近感のある表現と合わさって、より非日常的なイメージが強くなり、不思議な印象に仕上がった。 これは太陽を頭の後ろに隠した完全逆光の状態。 後光が射して神々しいが、陰を打ち消すように正面からライティングをすると、やや平面的な写りに。 こちらは半逆光のパターン。 立体感が出て、さらにキャラクターの不気味さ、怖さが増す。 「さっきとのキャラクターの違いは何?」と思われるかもしれないが、これはこれで正解。 過去の作品なのでネタバレ覚悟で補足すると桜花さん演じる鑢七実は病弱な体を持ち、ひたすら弟の七花に心配される儚げな印象。 と思いきや、怪物的な強さと冷酷さを合わせ持ち、後に最強の敵として弟の前に立ちふさがる異能の天才少女なのだ。 見た目と実力に強烈なギャップを持つ、「ヤンデレお姉ちゃん」である。 ススキ野原でのカット。太陽のメイン光は前方斜め左上方からのレンブラントライティングの位置。 このライティングはシリアスな表現に向いている。 ストロボは右手前から照射して陰影を和らげている。 オフショット 鑢七実は基本的に無表情。 不気味にほくそ笑む、つまらなそうにため息をつく、遠い目をする、病弱な印象というキャラクター。 実際は笑い上戸でひょうきんな桜花さん、見事に迫真の演技をしてくれた。 終始、楽しく和気あいあいで、撮影を行っていることを最後に補足させていただきたい。
by ume13years
| 2012-02-25 14:21
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