旧跡散策(池子)

池子石切場跡
e0248503_18104743.jpg

D7000
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
6月17日撮影


紹介するのはゆうにバスケットコートぐらいの高さ、広さを持つ地下空間。
戦前に掘られた池子石の石切場である。
山から切り出された石は海まで運ばれ、横須賀の軍港の造成に使われたとのことである。




e0248503_18111061.jpg

シダの下草に覆われた森を抜け、右手側の崖にぽっかりと大きな洞門が現れる。
比較対象がないので伝わり難いが、かなりの大きさに驚かされた。
e0248503_18112792.jpg

中は「E」の字構造をしており、同じ大きさの入り口が三つ空けられている。
最初に入ってきた「壱の口」を振り返る。
e0248503_18115338.jpg

続く「弐の口」はやや土砂で埋もれている。
e0248503_181289.jpg

どん詰まりの「参の口」はさらに入り口から土砂がなだれ込み、急傾斜となっている。
e0248503_18122526.jpg

光線の差し込む境界線に沿って、植物が逞しくも侵入してきている。
e0248503_18123989.jpg

天井からしたたる雫、洞内に流れ込んだ土砂を苗床に、モヤシ状のスプラウトが生える。
一日にわずかに射す光を受けて芽吹いたが、おそらくそう大きくはなれないだろう。
だが生命とは一分の可能性に賭け、何度でも挑戦を続ける物である。
e0248503_18125569.jpg

洞内中央に刻まれた歌碑。
「ふるむけば うしろにも居り みちをしえ 知迪」
この「みちをしえ」とは森林の湿地帯に生息する美しい甲虫、ハンミョウの俗称である。
戦前に最盛期を迎えた池子の採石産業だが、採算性の悪さにより閉山。
この歌碑が刻まれたのは観光地として再整備されかけた名残と言われている。
だがそれも戦局の悪化により頓挫してしまった。
e0248503_1813932.jpg

このような優れた文化遺産がこのまま埋もれていくのは惜しいと思う。

注意:この岩切場へのアプローチは私有地を通り抜ける必要性があり、無許可での侵入は厳に慎みましょう。興味のある方は手前に「せせらぎ盆栽園」があるので、そこの管理人さんに挨拶をし、情報収集してみてください。
[PR]
by ume13years | 2012-06-24 18:05 | ギャラリー
<< お題【携帯電話で撮った写真】 20120623速報 >>